自作リケーブル用のmmcxプラグですが、いくつかのメーカーから出ていて値段もバラバラです。安いものだと300円ほどから買うことができます。では、そのmmcxプラグを交換するだけで果たして音に変化があるのか!?人気の2種類のプラグで検証してみました。
検証した2種類のプラグ
安かろう、悪かろうじゃないですけど、あんまり安いのは今回は検証しないことにしました。というか、今まで作ったケーブルで安いプラグも何個か使いましたが、今回検証する2種類とは比較にならないほど作りがショボイです。プラグとしての役目はしっかりはたしてくれますが、同じ土俵に乗せるはどうなのかなと思いました。
ということで、今回検証するプラグは以下の2種類。
オヤイデ店舗オリジナル MMCX用 メタルシェル・コネクター(ネジ切り付き 赤/黒ペア)
これは使っている人も多いのではないでしょうか。街中でもすごーく稀に見かけることがあります。一目で「あ、オヤイデだ」ってわかるほどインパクトのある赤と黒のライン。デザインの良し悪しは好みの問題でもありますが、かっこいいとは思います。
Rosenkranz 方向性管理MMCX端子 RK-MMCX/R
Rosenkranzはアンプ・スピーカー・ケーブル・インシュレーターなどの色々なオーディオ関連製品を開発製造販売しているメーカーですね。プラグカバーはシルバーで、赤と黒の文字でメーカーがプリントされているデザインはおしゃれです(オヤイデプラグにも似ていますが…)。
方向性管理って??
ケーブルで直流抵抗が少ないのは言うまでもありませんが、スターターとアンカーの役割を担う端子の方向 性は、ケーブルの線材と同等若しくはそれ以上に音に大きな影響を及ぼします。 特にイヤホン/ヘッドホンの世界では低電圧の上に微弱電流ですから、ピュアオーディオの何倍も端子の 方向性の正逆が重要となります。 端子の方向性が逆だと音楽の流れが失速し、音楽の生命力、躍動感、喜怒哀楽などのメッセージが伝わっ て来にくくなるのです。 ローゼンクランツの製品はオーディオのみならず車のファインチューニングのハウハウまでも注入。 音楽の感動があなたの耳から体中を、そしてハートを射抜くように突き抜けます。 方向性の権威Rosenkranz!きっとあなたのミュージックライフを一変させるでしょう。
Rosenkranzホームページより一部抜粋
うーん、なんか難しいこと書いてありますが、要はなるべく抵抗を少なくしよう!ていう話で、そのための製品なわけですね。間違っている?
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Rosenkranz(ローゼンクランツ) 方向性管理MMCX端子 RK-MMCX/R
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検証に使用したケーブル
検証に使用したケーブルは自作したものです。スペックはこちらの記事をご覧ください。
値段を比較
まずは値段を比較してみます。
オヤイデ電気 | Rosenkranz |
¥1,404 | ¥1,940 |
※2018年2月末時点での価格
その差はおよそ500円。方向性管理をうたっているRosenkranzの方が約500円高くなっています(Rosenkranzの方にはこだわりのオリジナルハンダが付属しています)。これが高いか安いかはわかりませんが、果たして音質に違いは出るのでしょうか。
ちなみに、500円あれば安いmmcxプラグは買えてしまいます(゚o゚;;
質感を比較
誰がみても明らかな違いがありました。今までオヤイデ電気のプラグを使っていて、それでも他の安い製品よりは精密に作られていて良いと思っていましたが、Rosenkranzのプラグは全然別物でした!圧倒的にしっかりした作りです!
写真でもわかるかと思いますが、カバーの厚みが全然違います!この辺も音に影響がありそうですね!!
音を比較
さてさて、肝心の音はどうなったのでしょうか。。。
Rosenkainzのプラグをつけていつものイヤホン(Westone UMPro30)をつけたら、あらびっくり!このイヤホンってこんなに低音かっこよかったっけ!?別物とまでは言わないですが、それでも十分にインパクトのある変化を感じました!
今まではケーブルの線材(銀線)の影響もあって、だいぶ高音に寄っていたんです。それがプラグを交換しただけで、まとまりのあるしっかりとした音に変化しました!
今までは高音より(高音が特徴的)な女性ボーカルや、高音よりにチューニングしている音源のハイハットの音などで、たまにちょっと「刺さる感」があったんですが、それがほとんど無くなりました。でも高音の美味しい成分は無くなっていないように感じます。かわりに中低音あたりが少し豊かになって、しっかりと響かせてくれています。
この辺りは好みの問題もあるかと思いますが、高音と低音のトレードオフ的なところもあるかと思います。
正直に言うと、今までずっとオヤイデのプラグばっかりを使っていて、違うのが使ってみたくなったので交換したんですが、そしたら音があんまりにも変わったのでびっくりしました。想像以上です。恐るべしRosenkainz方向性管理!プラグ本体の作りだけじゃ無くて、プラグカバーの剛性の差も多少なりとも関係がありそうです!
イヤホンによっては隙間ができる
こちらはRosenkainzのプラグをつけたケーブルにイヤホンをつけた状態です。イヤホンは手前がShure SE-215で、奥がWestone UMPro30です。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、SE-215だとピッタリハマりますが、UMPro30だとプラグとイヤホンの間にすこーしだけ隙間ができています。ただし、これはプラグのせいではなくイヤホン側の問題で、Westoneの場合は純正ケーブル以外のどのプラグでも大体同じ状態になるようです。オヤイデもしかり。
言っても、UMPro30もこれできちんとハマった状態ですし、使用上特に問題はありませんのでこれはこれでOKです。
プラセボ?
検証結果を全否定してしまうような事にはなってしまいますが、もしかしたらプラセボ効果が多少なりとも働いている可能性は否定できません。なんせ、自分で買ってきて、自分で交換して、値段が上がったんだから、それなりに変化していてほしいという思いが上乗せされているかも。
とは言っても、今回はあきらかに「変化した」と言えると思います。良くなったか、悪くなったかは人それぞれ感想は違うと思いますが、自分としては「良い方に変化した」と思っています。
Rosenkainzにはハンダも付属
Rosenkainzのプラグを購入すると一緒にオリジナルハンダも付いてきます。
そのハンダの特徴は
大半のものがスズが60%、鉛が40%のタイプです。スズが多いと音色がきらびやか過ぎたり、鉛が多くなれば暗過ぎたりします。研究の結果スズ52.5%が人の音質を変えないことがわかりました。
エコブームに乗って鉛レスハンダも出ていますが、音こそ綺麗であるものの、腰高で低音の迫力に欠けます。そんな理由からローゼンクランツオリジナルハンダを作ることになりました。
商品説明より一部抜粋
だそうです。ハンダだけの違いを検証するには、一般人にはなかなかハードルが高いですが、今回はそれも含めて音の変化があったんだと思います。
P.S.
くれぐれも、オヤイデ製品が悪いわけではありませんので誤解のないようにお願いします。値段を考えたら、精巧できっちりと作られています。質感と音質に勝る(と思っている)Rosenkranzですが、オヤイデ製品より約500円高いわけなので、そこに価値を見出せるかどうかっていうことだと思います。オーディオの世界に限らず、何にしたって価格と性能のバランスで、自分の価値観にあった商品を選ぶわけですからね^_^