hip-dac3 レビュー。iFi AudioのポータブルハイレゾDAC /ヘッドホンアンプの特徴

iFi AudioのポータブルハイレゾDAC /ヘッドホンアンプの新モデル「hip-dac3」を購入しました。iFi Audioからはこれまでにも「hip-dac」「hip-dac2」とリリースされてきており、今回が3作目になる「hip-dac3」。チタニウム・シャドウカラーのアルミニウム筐体で作られた、バッテリー駆動のポータブルゾDAC/ヘッドフォン・アンプで、スマートフォン・タブレット・パソコンなどにUSB経由でhip-dac3を接続し、お気に入りのヘッドフォンやイヤホンを接続するだけで、高音質に音楽を楽しむことができます。

今回は製品の特徴の紹介と、実際に使ってみたレビューをまとめます。

\今すぐ購入する/

hip-dac3の特徴

iFiの「hip-dac3」は、手軽に高音質再生環境を作ることができるポータブルDAC /ヘッドフォンアンプです。そもそも、スマートフォン・タブレット・パソコンなどに搭載されているDACやアンプは決して音質が良いものというわけではないことがほとんどです。そんな時に、この「hip-dac3」をUSBで接続するだけで高音質で音楽を楽しむことができるようになります。

使い方の幅が広がるUSB-C搭載

hip-dac3はコネクタにUSB-Cポートが採用されました。iPhone15でも採用されていよいよスタンダードとなったUSB-Cになったことによって、Androidスマホをはじめとした様々な機器との接続が便利になりました。搭載しているUSB-Cポートは3.0と2.0に対応し、最大32ビット/384kHzのオーディオをサポートしています。

高音質バーブラウン社製DACチップ

DACチップにはバーブラウン(Burr Brown)社製が採用されています。また、DACチップとの相性を考えられたデジタル・オーディオ入力を処理するためのXMOSチップが搭載されています。iFiの開発チームによって音質を最適化するようにプログラムされ、バーブラウン社製DACとの完璧なハイレゾ・パートナーシップを実現しています。

XMOS(エックスモス)は、音声に特化してバックグラウンドノイズを除去し、電子機器と自然な方法で対話できるようにするボイス/オーディオソリューションの主要なサプライヤです。

引用元:https://www.digikey.jp/ja/supplier-centers/xmos

スマホよりも小さいコンパクトボディ

102mm(奥行き)× 70mm(幅)×14mm(高さ)というコンパクトなボディは前作から継承されていて、ポケットやバッグに目立たず収納できます。使いやすいそのサイズとデザインで、お気に入りのヘッドホンを接続するだけで、簡単に豊かでダイナミックなサウンドを楽しめます。

hip-dac3のカラーはチタニウム・シャドウカラーです。hip-dac2ではサンセットオレンジ、初代hip-dacではブルーでしたので、一番落ち着いたカラーになりました。

ハイインピーダンスでも余裕の出力

アンプ部は、32Ωのヘッドホン負荷に対して400mWの出力が可能で、幅広い種類のヘッドホン・イヤホンに余裕を持って対応します。また、出力電圧6.3V/600Ω(バランス出力)により、ハイインピーダンスのヘッドホンにも余裕で対応します。また、Powermatchと呼ばれるゲイン切り替え機能を搭載しています。これは、入力感度と出力レベルを調整する機能で、ヘッドフォンの負荷に合わせて出力パワーを調整することが可能になっています。

XBassで迫力ある低音域に

XBass機能を搭載。これをオンにすることで中音域を濁すことなく低音域を増強する洗練された低域をブーストさせることができます。特に重低音が不足するイヤホンや開放型のヘッドホンに有効で、この機能は、DSPを介してデジタル信号に手を加えるのではなく、完全にアナログ領域で動作します。

XBassは、アナログ・ヘッドフォン・スペイシャライザー(空間感創出機能)です。音楽の開放感を増して、ライブコンサートで体験するような空間感を生み出します。

引用元:https://ifi-audio.jp/others/hip-dac3.html

好みに合わせて使える3.5mm/4.4mmバランス接続

hip-dac3は、シングルエンドのヘッドフォン用の3.5mm出力端子と、デバイスの差動アンプ設計を活用したバランス接続用の4.4mmバランス出力端子の2つの出力が搭載されています。3.5mm出力端子はiFiのS-Balanced回路を採用し、通常のシングルエンドヘッドホン接続時に発生するクロストークや歪みを最小限に抑えます。

いつものストリーミングも高音質に

ハイレゾPCMおよびDXDオーディオデータを最大384kHzのサンプルレートをサポートすると共に、2.8MHzから12.4MHzのDSD(DSD64、128、256)をサポート。Tidalの「HiFi Plus」プランで採用されているハイレゾ・ストリーミング・テクノロジーであるMQAのフル・デコードにもサポートしています。また、いつも使っているお気に入りのストリーミングサービス、Spotify、Apple Musicも高音質で楽しむことができます。

hip-dac3のスペックと外観

続けて「hip-dac3」のスペック詳細と外観についてです。

スペック

対応フォーマット DSD256/128/64

PCM(384/352.8/192/176.4/96/88.2/48/44.1kHz)

MQA(フルデコード)

デジタル入力 USB-C 3.0(USB2.0互換)
ヘッドフォン出力 4.4mmバランス、3.5mmシングルエンド
出力パワー 4.4mmバランス;400mW@32Ω; 6.3V@600Ω

3.5mm S-Balanced:280mW@32Ω; 3.2V@600Ω

電源システム USB-C経由で充電(BC V1.2 1000mAまで対応)連続動作時間 約8時間
サイズ 102mm(奥行き)× 70mm(幅)×14mm(高さ)
重量 135g
価格 35,200円(税込)
hip-dac3の2,200mAhバッテリーは、音量やヘッドホンの能率によって異なりますが、最大12時間の再生が可能です。

外観

デザイン自体は前作までを踏襲されています。それまでの派手なカラーが一新、チタニウム・シャドウカラーというシックでかっこいい色合いになっています。

底面にiEMatchというスイッチが搭載されています。高感度のヘッドフォンやイヤフォンを使用するとき、特にインイヤーモニター(IEM)に有効です。

スマホと大きさを比較すると下記のような感じになります。左がpixel5、右がiPhone12です。

本体上部と下部は下記のようになっています。上部真ん中にドカンとそびえるノブはボリュームと電源のオンオフのスイッチになっています。一番左がPoweratchボタン、隣がX-Bassボタンで、それぞれにLEDインジケータが付いています。

ロータリー・ボリューム・コントロールの両脇には、入力されたオーディオのフォーマットとサンプル・レートを示すために配色が変わる2つのLEDがあります。

USB-Cコネクタは電源用とオーディオ用でそれぞれ独立しています。

USB-C to C OTGケーブルとUSB-A to Cケーブル、USB-C to Lightningケーブルが付属します。iPhone14までのユーザーにとっては、USB-C to Lightningケーブルが付属しているのは何気に嬉しいです。

このケーブルがスマホと接続する時、スマホケースに干渉してしまう場合があるので気をつけてください。
もちろん、PCと繋げて自宅でDACアンプとして使っても高音質になります。

hip-dac3のレビュー

それでは「hip-dac3」のレビューです。

音質などについて

ポタアンはこれまであまり使ったことがなかったのですが、一言で言えば素晴らしいです。普段は私物のiPhone12に接続していますが、感動するほど音質が良くなります。Spotifyを再生するだけでも、hip-dac3を使うのと使わないのでは、雲泥の差があるのが事実です。

音質ですが、まずは原音に忠実に再現することが前提となっているような印象で、音にクセなどが比較的ありません。全体のバランスが良くとてもクリアに再生されていて、定位も非常に良く音の位置が伝わってきます。また、低音域もどっしりとしていて迫力があり、高音域まで綺麗で、ハスキーなボーカルなどもとても素晴らしいです。

本体に電源を必要としているので、バスパワーのスティック型DACなどと比べても、一回りも二回りもランクが上だと感じます。

X-Bassは好みにもよりますが、イヤホンのポテンシャルを最大限に発揮することができているような気がします。「このイヤホンでこんなにかっこいい低音が出るのか」と感じたほどです。

ただ、スマホと一緒に使っていると、まれにノイズが乗ってしまうことがあります。スマホが通信している以上、やむを得ないのかもしれません。通信しなくて良いのであれば、機内モードにすることで解決はできます。

波形を測定

hip-dac3をWindowsPCに接続して、波形を測定してみました。4パターンの波形を添付します。

X-bassをオンにすると、重低音の迫力が増しますが、波形でも100k未満の超重低音のあたりから上がっていることが確認できます。しかも、高音や中音の音をほぼ変えないで低音を強くできるのが特徴です。

また、Powermatchをオンにすると、全体のボリュームが底上げされるとともに、迫力がアップするのでかなり印象が変わってきます。

高音域に関しては、それほど波形で見る限り、どのパターンでもそれほど音質に変化は見られませんが、ヌケは良いままに、各スイッチをオンにした方が、低音から高音までの全体の馴染み方がよくなるような印象です。

X-bass/Powermatchのオンオフは好みによりますが、それぞれ結構雰囲気が変わりますので、アーティストや曲調に合わせて変えてみると楽しいです。

使い勝手をよくするための一工夫

hip-dac3を使っていて気になったことがいくつかありましたので、ここで少し紹介します。

一つ目はボリュームノブがスマホに接触してしまう事。これによって、ふとした時にボリュームノブが勝手に動いてしまって、ボリュームかわってしまうことがあります。ボリュームノブ自体がオンオフのスイッチになっているので、スマホと一緒に使っている時に操作がしづらいということも欠点です。

それを補うために、私はダイソーで買ってきた耐震ゴムを間に挟んでいます。これでスマホと本体の間にちょうどいい感じの隙間が生まれて、誤操作を防ぐことができます。

また、本体がコンパクトで小さいとはいえ、やはりスマホにケーブル一本で接続されているだけの状態では邪魔になってしまいます。なので私はスマホを自転車などに取り付けるためのシリコンバンドをAmazonで購入して、それで本体とスマホを一体化させて使っています。ボリュームノブがやや使いづらくなってしまいますが、許容範囲かと思います。

というか、そんなめんどくさいことをせずに、本当はポタぴたを使えばいいだけなんだとは思いますが。

傷がつかないように大事に使いたい方は、専用ケース「hip-case」が6,600円で用意されていますが、サードパーティ製ですと5,000円弱で買うことができて少しだけお得感があります。

尚、私はスマホもhip-dac3もケースなどをつけずに使っているので問題はないのですが、スマホケースによっては、USBケーブルや Lightningケーブルがスマホケースに干渉してしまい、きっちり接続できない場合があるので注意が必要です。

ちなみに、「接続ケーブルをもうちょっと長くしたいな」と思いAmazonで適当なサードパーティ製のUSB-Lightningケーブルを購入してみましたが、残念ながら使えませんでした。純正以外のケーブルを購入するときは注意が必要です。

そして普段は、ダイソーで売っている「カメラプロテクトケース(下記画像)」に入れて持ち運んでいます。

hip-dac3のまとめ

今回はiFi AudioのポータブルハイレゾDAC /ヘッドホンアンプの新モデル「hip-dac3」のレビューをしました。

音質についてはここまででお伝えしてきた通りに、本当に素晴らしいです。正直、スマホでSpotifyやAppleMusicを聴いているだけだから、わざわざDACを繋げなくても良いのでは?なんて思っている方には、是非一度使ってみることをお勧めします。

イヤホンやヘッドホンの性能も引き出すことができて、劇的に音質が変わり、DACアンプの重要性に気づいてしまうのではないでしょうか。本当に良い音です。

もちろん何十万円もするDACが買えるのであればそれでいいですが、3.5万円でこれだけの高音質で、外出先でも音楽が楽しめるようになるので、音楽好きな人は試さない理由がないと思います。

\3.5万円で高音質を手にいれる/

参考サイト:iFi Audio

ad