今回は、フランスのDevialet社が2020年に発売した完全ワイヤレスイヤホン「Devialet Gemini」の特徴などについてレビューをしたいと思います。
「Devialet Gemini」は、スペック上だけ見ると、10mmデビアレドライバー搭載、コーデックにはSBC、AAC、aptXに対応、連続再生時間は6時間と、決して突出したポイントはないのですが、それでも発売から2年ほど経った今でもその圧倒的な音質の良さとノイズキャンセリング性能の高さからオーディオファンの支持を集めている高音質イヤホンとして知られています。
音質においては特に、抜けの良い高音と、臨場感のある広い音場に特徴があり、他のメーカーのワイヤレスイヤホンとは一味違う独特の高音質を極めていると言っても良いのではないでしょうか。
デザインもシンプルで高級感があり、とても気持ち良く装着できます。音楽好きにはたまらない1本だと言われているDevialet Gemini。機会があったら使ってみてください。きっとその音のクオリティに驚かされると思います。
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Devialet Geminiの概要とスペック
Devialet Geminiは、フランスのオーディオブランドDevialetが開発し、2020年11月に発売されました。発売当時は4万円を超える価格で高級ワイヤレスイヤホンといわれていましたが、2022年に価格改定が行われ29,800円で購入できるようになりました。
発売からしばらく経過した現在も、その圧倒的な音質とノイズキャンセリング性能からオーディオファンの支持を集めている高音質イヤホンとして知られています。
概要
圧倒的な音質の良さ
最大の特徴は、圧倒的な音質の良さにあります。普通のイヤホンだと、音が内臓された小さなスピーカーから音もれしたり、低音が足りなかったりします。しかし、Devialet Geminiは、10mmダイナミックドライバーを内蔵しており、カスケード式減圧チャンバーという方式で、イヤホン内部の空気圧を最適化し、常にスピーカーのパフォーマンスを最大限引き出す音響構造となっています。
その結果、耳の中に音を反射させてリアルで広い音場を作り出していて、アーティストの表現する音楽の細部まで聞こえてきて、まるで目の前で生演奏を聴いているような感覚が味わえます。
高いノイズキャンセリング性能
もう一つの特徴は、世界トップクラスのノイズキャンセリング性能です。特許を取得した独自のアルゴリズムにより、ノイズキャンセル効果に影響する音声信号処理の遅延を完全に補正。ノイズキャンセル性能が飛躍的に高まり、従来では難しいとされていた高い周波数帯域まで効果を発揮します。
飛行機の中など騒音が多い環境でも、外の音を遮断して集中できるという点が評価されています。
アプリでカスタマイズできる
また、専用のアプリを使用すると、ノイズキャンセリングの強さや外音取り込み昨日のオンオフ、イコライザーを使った音質のカスタマイズなどが可能で、より自分好みの音質に近づけることができます。
スペック表
製品名 | Devialet Gemini |
ドライバー | 10mmダイナミック (デビアレ・ドライバー) |
対応コーデック | SBC、aptX、AAC |
対応プロファイル | A2DP、HFP、HSP |
サイズ | イヤホン W:18 mm × D:33 mm × H:15 mm 充電ケース W:58 mm × D:74 mm × H:31 mm |
重量 | イヤホン: 8g 充電ケース: 76g |
周波数特性 | 5Hz~20kHz |
Bluetoothバージョン | 5.0 |
充電方法 | Qi規格(ワイヤレス充電) 対応ケース ケース用充電ケーブル:USB-C to USB |
連続使用時間 | イヤホン:約6時間 充電ケース:イヤホンを3.5回分充電可能 |
防水性能 | IPX4準拠 |
付属品 | イヤーチップ (3サイズ) USB-C to USB 充電ケーブル クイックスタートガイド |
こうしてスペックだけ見ると決して突出したところがあるわけではないのですが、とても高音質なのです。スペックには現せないポイントがあるんだなと感じさせます。
Devialet Geminiの外観とレビュー
それではDevialet Geminiの外観と音質などについてレビューしていきます。
外観
まずはパッケージです。
充電ケースはフタをスライドするタイプ。フタがプラスチックっぽくて軽いのですが、安っぽさがあってちょっとマイナスポイントかもしれません。
イヤホンは縦に長い丸型です。ハウジング部が大きく作られているのですが、この大きさが音の良さにもつながっている部分です。
ちなみに、口コミサイトでは「装着感がよくない」という意見も散見されますが私には良い装着感でした。本体を耳に入れた時にベストフィットするポイントがあります。下記の写真のように、イヤホンをたてて装着するか、横に寝かせて装着するかでも大きく変わります。色々と試して見るときっとベストフィットするポイントがあるのではないでしょうか。
ただ、付属のイヤーチップも良かったのですが、より装着感(耳への密着度)を高めるために、私はイヤーチップをJVCのスパイラルドットに変更して使っていますが、低音に厚みが増したような感じがします。
独特のフォルムをしたイヤホンで、音導管が楕円形で独自のメッシュ模様が入っていることも、音質に大きな影響が出ているのではないでしょうか。
音質
高音の特徴
高音は、クリアで伸びやかな音色が特徴です。人の声やストリングスなどの楽器の高音は、きらきらと輝くような透明感があります。他のイヤホンと比べると、少し強調された印象も受けますが、音楽全体のバランスを崩さずに高域を引き立てていると感じられます。力強さと精密さを併せ持つ高音再生は、Devialet Geminiの音の魅力の1つといえるでしょう。
中音の特徴
中音域は、優しくふくよかな響きが特徴です。ボーカル音声の中音域が温かみを感じさせるのが印象的で、音楽全体のなめらかさに貢献していると言えます。中高音のバランスが上手く取れており、少し力強めの高音との関係で、聴き手を疲れさせない適度な温かみを実現しているように感じられました。
低音の特徴
低音は、迫力と速いレスポンスが魅力です。キックドラムやベースなどの低音は、ぐんと耳元で体感できるほどの重低音再生力があります。一方で、余分なブォーム感がないため、低音が過剰に響くこともありません。緻密な音の立体感とのバランスが上手く取れた、力強くて正確な低音再生が特徴だと言えます。
波形で見る音の傾向
こちらは、私が個人的にDevialet Geminiの波形を測定した結果になります。素人測定ですので参考程度にご覧ください。
重低音や低音は強調せず、中音〜高音にかけてピークを作っているようです。Devialet Geminiの特徴でもあるヌケの良さは波形にも現れているようです。
SENNHEISER Momentum2の波形(下の画像)と比べて見ると、低音から中音にかけての山の作り方が全然違い、それぞれのイヤホンの音の傾向や特性などがよくわかります。
ノイズキャンセリング性能
ノイズキャンセリングイヤホンの特徴としては、従来のANCイヤホンを上回る精緻なノイズキャンセリング性能が挙げられます。
Devialet Geminiは内蔵した2つのマイクと高度なアルゴリズムを用いることで、外部ノイズを正確にキャンセルします。航空機内のような定常的な騒音に対しては抜群の消音効果が得られ、会話レベルの音までマスキングできるそうです。ファン音やエアコン音などの室内ノイズも、ほぼ完璧に打ち消されるとのこと。
一方で、不規則なノイズや風切り音などの高周波ノイズに対する追随性は、最新のSonyやBoseのノイズキャンセリングイヤホンに比べると1歩劣るとの評価があることも事実です。その要因としては、素早く変化するノイズ環境に対する対応力には多少の改善余地があるようです。
しかしながら、一定の状況下での消音力は群を抜いており、機内や電車内での静寂な空間を体感できることはDevialet Geminiの最大の魅力といえるでしょう。ノイズキャンセリングにこだわるのであれば、Devialet Geminiは最上位クラスの選択肢に値する品質があると評価できます。
充電用のUSBケーブル。Qi充電にも対応していますが、さすがに専用の充電器は付属していません。
イヤーチップは4種類(XS、S、M(本体に装着)、L)です。
デザインもシンプルで高級感があり、とても気持ち良く装着できます。音楽好きにはたまらない1本だと言われているDevialet Gemini。機会があったら使ってみてください。
\オーディオファンの支持が高い高音質イヤホン/
現在、残念ながら新品ではDevialet Geminiを入手するのが難しくなってきました。もしよければ中古で探してみるのもあだと思います。また、2023/9/28には後継機種となるDevialet Gemini 2がリリースされ話題となっています。価格が6万越えと、なかなかの高級イヤホンではありますが。