【要約と感想】『ドリルを売るには穴を売れ』は初心者でもわかるマーケティング入門書

今回は、佐藤義典さんの著書『ドリルを売るには穴を売れ』をご紹介します。

マーケティングに興味はあるけれど、「難しそう」「どこから学べばよいのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。この本は、そんな初心者の方でもわかりやすく、実践的に学べる内容となっています。

物語形式で構成されており、マーケティングの基本を楽しく、かつしっかりと身につけることができるのが魅力です。

この記事では、『ドリルを売るには穴を売れ』の要点や感想をまとめましたので、購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

初版は2007年で、2025年4月現在は41刷となっている、超ロングセラー本です。メルカリでもあまり値下げされていない事から人気の高さがわかります。
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『ドリルを売るには穴を売れ』というタイトルの意味

このインパクトのあるタイトルは、マーケティングの本質をとてもわかりやすく表しています。

「人はドリルが欲しいのではなく、ドリルで開ける“穴”が欲しいのだ」という有名な言葉があります。これはつまり、「商品そのものではなく、それによって得られる価値や結果が欲しい」という意味です。

これがベネフィットという事ですね

マーケティングでは、商品の機能や特徴だけでなく、「それを使うことでお客様がどんなメリットを得られるのか」を伝えることが大切です。本書は、この考え方を軸に話が展開されていきます。

ストーリー形式でわかりやすく学べる

本書は、経営がうまくいっていない小さなレストランを立て直すというストーリーを通じて、マーケティングの考え方や手法を紹介していきます。

専門用語ばかりの難解なビジネス書とは違い、登場人物の会話を追っていくだけで、自然とマーケティングの基本が身につく構成になっています。物語に引き込まれながら読み進められるので、ビジネス書が苦手な方にも読みやすい内容です。

本書で学べる4つの基本的なマーケティング理論

ベネフィット(お客様にとっての価値)

商品を売る際に大切なのは、「この商品でお客様がどんな良いことを得られるか」を明確にすることです。

たとえば、シャンプーなら「髪がさらさらになる」「香りが良くてリラックスできる」などがベネフィットにあたります。本書では、価値には「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現的価値」の3つがあると説明しています。

セグメンテーションとターゲティング

すべての人に同じように商品を売ろうとするのではなく、「誰に売るのか」をしっかり決めることで、より効果的なマーケティングができます。

たとえば、同じ洋服でも、若い女性向けとシニア向けではデザインや訴求ポイントが大きく異なります。本書では、ターゲットを明確にすることで売り方が大きく変わるということを、実例を交えて丁寧に解説しています。

ポジショニング(競合との違いを出す)

たくさんの競合の中で、自社の商品やサービスをどう差別化するかも重要なポイントです。

「うちの店はここが他と違う」と明確に伝えることで、お客様の記憶に残りやすくなります。レストランの例では、「地元食材を使った健康ランチ」などが差別化のポイントになっていました。

4P(マーケティング・ミックス)

マーケティング戦略を考えるうえで基本となる「4P(製品・価格・流通・プロモーション)」についても、分かりやすく紹介されています。

  • Product(製品):どんな商品を提供するか
  • Price(価格):いくらで売るか
  • Place(流通):どこで売るか、どう届けるか
  • Promotion(販促):どうやって知ってもらうか

この4つを組み合わせて、お客様に最も価値が伝わる方法を考えることがマーケティングの基本になります。

読んでみた感想

『ドリルを売るには穴を売れ』を読んで最も印象に残ったのは、「商品そのものではなく、その商品がもたらす価値を伝えることが重要」というシンプルかつ本質的な考え方です。これは、私たちが日々行っている“売る”という行為を根本から見直すきっかけになります。営業や販促に携わる方だけでなく、企画・広報・商品開発など、あらゆるビジネスパーソンにとって有益な視点だと感じました。

また、ストーリー形式で進んでいく構成は非常に読みやすく、理論を頭に入れやすいと感じました。登場人物の対話を通して実例が紹介されるため、自分の仕事や身の回りのビジネスに置き換えて考えることができ、読後には「すぐに試してみたい」と思えるアイデアが自然と浮かびます。

マーケティングの勉強というと、専門用語が多くて難しそうという印象があるかもしれませんが、この本はまったくその心配がありません。むしろ、これまで苦手意識があった方にこそ手に取っていただきたい内容です。読後には、自分の考え方や伝え方が少し変わったことに気づける一冊でした。

初版が2007年という事で、具体例として掲載されている情報が古いです。自分の頭にある最新の情報に置き換えながら読むと良いでしょう。

こんな方におすすめです

  • マーケティングをこれから学びたい方
  • 商品やサービスの魅力をうまく伝えたいと感じている方
  • 小さなビジネスを運営していて、売上アップのヒントを探している方
  • 難しいビジネス書が苦手な方

まとめ:『ドリルを売るには穴を売れ』はマーケティングの出発点に最適

『ドリルを売るには穴を売れ』は、マーケティング初心者でも理解しやすく、実践的な知識が身につく一冊です。商品やサービスを「どうやって売るか」ではなく、「どうすればお客様に価値を届けられるか」という視点に立ち返ることができます。

マーケティングに苦手意識がある方にも自信をもっておすすめできる一冊です。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。

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