丁寧に説明しようとするほど話が長くなり、最後には自分でも何を伝えたかったのかわからなくなってしまう。
そんな悩みがあったため、犬塚壮志さんの著書『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』を読んでみました。
読み終えて最も印象に残ったのは、説明がうまい人は、話し方が特別にうまいのではなく、話す前の考え方が違うということです。
説明力を高めるためには、語彙力を増やしたり、プレゼンの技術を覚えたりする必要があると思っていました。
しかし、本書を読んでみると、もっと手前の部分に大切なことがあると気づかされます。
この記事では、本の内容を細かく解説するのではなく、実際に読んで感じたことや、今後の仕事やブログ運営に取り入れたいと思ったことを中心に紹介します。
この記事で紹介すること
- 本を読もうと思った理由
- 読後に最も印象に残ったこと
- 説明に対する考え方がどう変わったか
- 仕事やブログで実践したいこと
- どのような人におすすめしたいか

『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』を読もうと思った理由
この本を手に取った理由は、説明するときに話が長くなってしまうことが多かったからです。
何かを質問されたとき、相手に正しく伝えようとするあまり、背景から細かく説明してしまいます。
途中で補足したい情報が次々に浮かび、本題から少しずつ離れていくこともあります。
自分としては丁寧に説明しているつもりでも、相手からすると「結局、何をすればいいのか」がわかりにくかったかもしれません。
特に仕事では、説明のわかりにくさがそのまま相手の時間を奪ってしまいます。
上司への報告、同僚への引き継ぎ、問い合わせへの回答など、説明が必要になる場面は少なくありません。
ブログを書くときも同じです。
記事に情報を詰め込みすぎると、読者が本当に知りたい答えが埋もれてしまいます。
自分では詳しい記事を書いたつもりでも、読者にとっては読みにくいだけになっている可能性があります。
そこで、話し方だけでなく、説明する前の頭の使い方を学べそうな本書を読んでみることにしました。
読後に最も印象に残ったのは「話す前」の大切さ
本を読み終えて最も印象に残ったのは、説明は口を開いてから始まるものではないということです。
何を伝えるのか。
誰に伝えるのか。
相手はどこまで知っているのか。
説明を聞いたあとに、相手にどうしてほしいのか。
こうしたことを事前に考えずに話し始めると、途中で説明の方向がぶれやすくなります。
これまでの自分は、質問されるとすぐに答えようとしていました。
沈黙すると、知識がないと思われるのではないか。
すぐに答えなければ、相手を待たせてしまうのではないか。
そのような焦りから、考えがまとまっていない状態で話し始めていたのだと思います。
しかし、数秒立ち止まって「相手が知りたいのは何だろう」と考えるだけでも、説明の内容は変わります。
説明がうまい人は、言葉が次々に出てくる人ではなく、必要な言葉を選んでから話せる人なのだと感じました。
説明は情報量が多いほどよいと思っていた
本書を読んで、これまでの説明には余計な情報が多かったと感じました。
私は、詳しく話すことが親切だと思っていた部分があります。
情報を省くと、説明不足になってしまう。
できるだけ細かく伝えたほうが、誤解されにくい。
そんな考えから、必要以上に多くのことを話していたのだと思います。
しかし、聞く側には一度に理解できる情報量があります。
説明する側が重要だと思う情報をすべて渡しても、相手が整理できなければ伝わったことにはなりません。
むしろ、たくさん説明すればするほど、何が大切なのか見えにくくなることがあります。
これは、仕事の報告だけでなく、ブログ記事にも当てはまります。
関連する情報をすべて盛り込んだ記事が、必ずしも読みやすい記事になるわけではありません。
読者の疑問に答えるために必要な情報と、なくても困らない補足情報を分ける必要があります。
伝えたいことを増やすより、伝わるものを残すことのほうが大切だと感じました。
相手を見ずに説明していたことに気づいた
読んでいて少し反省したのが、自分は相手よりも自分の説明に意識を向けていたということです。
言い間違えないようにしよう。
順番を忘れないようにしよう。
できるだけ詳しく話そう。
こうしたことばかり考えていると、相手が理解できているかを見る余裕がなくなります。
説明の途中で相手の表情が曇っていても、そのまま話し続けてしまうことがあります。
本来であれば、相手の反応を見ながら、説明を止めたり、言い換えたりする必要があります。
説明は、自分が用意した内容を最後まで話し切るためのものではありません。
相手が理解するためのものです。
文章の場合は相手の表情を見ることができませんが、読者がどこで疑問を持つのかを想像することはできます。
専門用語を使うときに簡単な説明を入れる。
結論を先に示してから理由を書く。
文章だけで伝わりにくい部分には、表や具体例を入れる。
こうした工夫も、相手を見ながら説明することの一つだと思います。

説明は内容よりも順番で伝わり方が変わる
本書を読んでから、同じ内容でも伝える順番によって印象が大きく変わると考えるようになりました。
たとえば、仕事で問題が発生したときに、発生までの経緯から細かく説明すると、相手は結論がわからないまま話を聞き続けることになります。
一方で、最初に現在の状況や緊急度を伝えれば、そのあとの説明を聞く準備ができます。
もちろん、何でも結論から話せばよいわけではないと思います。
事情を知らない相手には、先に前提を説明したほうが理解しやすいこともあります。
大切なのは、決まった型をそのまま使うことではなく、相手が理解しやすい入口を選ぶことです。
これまでは、自分が思い出しやすい順番で話していたことが多かったと思います。
自分の頭の中では、出来事が時系列で並んでいるため、その順番で話すのが自然です。
しかし、それが相手にとってわかりやすい順番とは限りません。
自分の頭の中をそのまま言葉にするのではなく、相手が受け取りやすい順番に並べ替える。
この考え方は、すぐにでも取り入れたいと思いました。
今後、説明前に考えたい3つのこと
- 相手が最初に知りたいことは何か
- どこまで前提を知っているか
- 説明を聞いたあとに何をしてほしいか
説明への苦手意識が少し軽くなった
この本を読んでよかったと感じた理由の一つは、説明に対する苦手意識が少し軽くなったことです。
これまでは、説明がうまい人を見ると、頭の回転が速く、言葉が次々に出てくる特別な人だと思っていました。
そのため、自分には同じように話すことは難しいと感じていました。
しかし、説明は話す才能だけで決まるものではありません。
相手を想像し、目的を整理し、必要な情報を選び、伝わりやすい順番に並べる。
こうした準備で改善できる部分が多いとわかると、少し気持ちが楽になります。
もちろん、本を一冊読んだだけで急に説明がうまくなるわけではありません。
実際の会話では、緊張してうまく整理できないこともあると思います。
それでも、説明がうまくいかなかったときに「自分には才能がない」と落ち込むのではなく、どこを直せばよいか考えられるようになりました。
説明力は性格や才能ではなく、少しずつ改善できる技術だと思えるようになったことは、大きな収穫でした。
仕事で取り入れたいと感じたこと
本書を読んだあと、まず仕事の報告や相談で試してみたいと思いました。
特に意識したいのは、話し始める前に「相手に何を判断してほしいのか」を整理することです。
相談するときに状況だけを長く説明してしまうと、相手は何を求められているのかわかりません。
アドバイスが欲しいのか。
許可が欲しいのか。
作業を手伝ってほしいのか。
ただ状況を共有したいだけなのか。
目的を先に整理しておけば、必要な情報も選びやすくなります。
また、説明する前に短いメモを作ることも試してみたいと思います。
報告前にメモしておきたい項目
- 現在の状況
- 問題になっていること
- すでに対応したこと
- 相手に確認したいこと
- 自分が考えている次の行動
この程度のメモでも、話の脱線を減らせそうです。
説明が苦手だからこそ、その場で完璧に話そうとせず、準備できる部分は準備しておく。
それも説明力の一つだと感じました。
ブログ運営にも役立つと感じた
個人的には、本書の考え方はブログを書く人にも役立つと感じました。
ブログ記事も、読者に何かを説明するための文章です。
書き手が詳しく説明したつもりでも、読者が答えを見つけられなければ、伝わったとはいえません。
記事を書くときは、つい自分が知っている情報をできるだけ多く入れたくなります。
文字数が多いほど、詳しくて価値のある記事になるような気もします。
しかし、読者が求めているのは長い文章ではなく、自分の疑問を解決してくれる文章です。
本書を読みながら、ブログ記事でも次のことを意識したいと思いました。
ブログに取り入れたいポイント
- 読者が最初に知りたい答えを早めに書く
- 専門用語を当たり前のように使わない
- 重要な情報と補足情報を分ける
- 一つの見出しに情報を詰め込みすぎない
- 読者が次に疑問に思うことを考える
- 読後に何をしてほしいのかを明確にする
特に重要だと感じたのは、書き手と読者では持っている知識が違うという点です。
自分にとって当たり前の言葉でも、初めて調べる読者には意味がわからないことがあります。
反対に、読者がすでに知っていることを長々と説明すれば、なかなか本題に進まない記事になってしまいます。
誰に向けて書くのかを決めることは、記事の内容だけでなく、説明する順番や言葉の選び方にも関係するのだと思います。
説明力を高めることは、会話やプレゼンだけでなく、ブログの読みやすさや商品の紹介方法を改善することにもつながりそうです。
読んでいて難しいと感じた点
全体として読みやすい本でしたが、読んだ内容を実際の会話ですぐに使うのは簡単ではないとも感じました。
本を読んでいるときは「なるほど」と思っても、実際に質問されると、これまでと同じようにすぐ話し始めてしまいます。
相手の知識や状況を考える余裕がなくなることもあります。
また、説明する相手や場面によって正解が変わるため、一つの型だけを覚えれば解決するわけではありません。
その点を面倒に感じる人もいるかもしれません。
ただし、説明に絶対の正解がないからこそ、相手を見ることが重要なのだと思います。
本書は、読むだけで説明がうまくなる魔法の本ではありません。
実際の仕事や会話で試しながら、少しずつ身につけていく必要があります。
読んだだけで終わらせないために
一度にすべて実践しようとせず、まずは「話す前に目的を考える」「最初に要点を伝える」など、一つだけ試すのがよさそうです。
この本をおすすめしたい人
読んでみて、特におすすめしたいと感じたのは、話している途中で説明が長くなってしまう人です。
伝えたいことが多すぎて、どこから話せばよいかわからなくなる人にも向いていると思います。
具体的には、次のような人におすすめです。
- 説明すると話が長くなってしまう人
- 相手から聞き返されることが多い人
- 上司への報告や相談が苦手な人
- 会議やプレゼンでうまく話せない人
- 後輩や子どもへの教え方に悩んでいる人
- 専門的な内容を初心者に伝える機会がある人
- メールやチャットの文章が長くなりやすい人
- 読みやすいブログ記事を書きたい人
反対に、すぐに使える短い話し方の型だけを知りたい人には、少し遠回りに感じる部分があるかもしれません。
本書は、決まったフレーズを覚えるというより、説明するときの考え方を見直すための本だと感じました。
自分の説明がなぜ伝わらないのかを考えたい人には、参考になる部分が多いと思います。
『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』を読んだ感想まとめ
『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』を読んで、説明に対する考え方が少し変わりました。
これまでは、説明力を高めるには、スムーズに話す練習や、話し方の型を覚えることが必要だと思っていました。
しかし、実際には話し始める前の準備が大切です。
相手は何を知りたいのか。
どこまで知っているのか。
どの情報を最初に伝えれば理解しやすいのか。
説明後に、どのような判断や行動をしてほしいのか。
こうしたことを考えてから話すだけでも、説明の伝わり方は変わるのだと思います。
特に心に残ったのは、説明のゴールは、自分がうまく話すことではなく、相手が理解できることだという考え方です。
自分が間違えずに話せたかではなく、相手に必要なことが伝わったか。
説明するときは、今後もこの視点を忘れないようにしたいと思います。
一冊読んだからといって、すぐに説明がうまくなるわけではありません。
それでも、説明がうまくいかなかったときに、改善するポイントが見えるようになりました。
説明が苦手で、人に話すことや文章を書くことに自信がない人にとって、考え方を整理するきっかけになる一冊だと思います。
