骨伝導スタイルイヤホンで有名なShokz社から新しく発売されたワイヤレスイヤホンのOpenFitは、耳掛け式のイヤホンで、耳穴の前にドライバーを配置した形状から「オープンイヤー型」や「フローティングイヤホン」などと呼ばれています。快適な装着感、高い音質を実現していながら、周囲への音漏れにも配慮されているので、特に屋外で「ながら聴き」をする機会が多い人にとってはベストな選択肢になるのではないでしょうか。
今回はShokz OpenFitについてレビューをします。耳穴に押し込むタイプのカナル型イヤホンや骨伝導イヤホンがどうも合わなかいと言う方にこそぜひ試してほしいイヤホンです。
Shokzについて
ショックス(Shokz)は、骨伝導技術を利用したイヤホン(ヘッドホン)などを開発、製造、販売しているアメリカ合衆国の企業です。2011年にニューヨークで創業され、2019年に本社をテキサス州オースティンに移転しました。もともとは「AfterShokz」というブランド名でしたが、2021年12月にはブランド名を「Shokz」に変更しました。
Shokzは、骨伝導イヤホンをはじめとしてさまざまな製品を展開していますが、2015年から2018年にかけて毎年約200%の成長を遂げました。
2018年だけで150万台のワイヤレスヘッドホンを販売し、2020年8月時点で累計530万台の出荷実績があります。また、2020年には日本国内で骨伝導ヘッドホンの販売台数シェア81.2%を記録し、国内外で骨伝導ヘッドホン市場のリーディングカンパニーとして認知されています。
参考:Shokzホームページ
Shokz OpenFitの特徴について
OpenFitはオープンイヤー型の完全ワイヤレスイヤホン(フローティングイヤホン)です。これまでShokzのイヤホンといえば骨伝導方式が有名(主流)でしたが、OpenFitは骨伝導方式ではありません。また耳穴に押し込むタイプのカナル型イヤホンとも違う形状のイヤホンとなっています。
オープンイヤー型イヤホンとは?
オープンイヤー型イヤホン(開放型イヤホン)は、耳の入り口に引っ掛けるタイプのイヤホンです。このタイプのイヤホンは、耳を完全に覆ったり塞いだりせず、外部の音を聞き取ることができます。一般的には、耳甲介に軽くはめる形状をしており、長時間の使用でも耳が痛くなりにくいという特徴があります。
オープンイヤー型イヤホンのメリットとしては、外部の音を聞きながら音楽を楽しむことができるため、ランニングやウォーキングなどのアウトドア活動時に使用したいと言う方々がから人気があります。
一方、オープンイヤー型イヤホンのデメリットとしては、音漏れしやすいという点があります。周囲に音が漏れるため、他人に迷惑をかける可能性があります。また、低音に弱い傾向があります。そのため、迫力のある低音を重視する場合には向かない場合もあります。
Shokz OpenFitは耳掛け式
装着方法は0.7mmの超極細な形状記憶素材を採用した「ドルフィンアークイヤーフック」による耳掛け方式です。ユニット部の先端はイヤークッションコアと呼ばれ、耳の内側に軽く触れて固定する方になりますが、その耳の形状に優しくフィットする構造が装着性を高めています。
イヤホン本体の重量は約8.3gと、一般的なカナル型イヤホンと比較すると重くなりますが、イヤホン本体とバッテリー部分との絶妙なバランスによって、その重さを感じさせないほどの快適な装着感です。装着してみると耳に優しくフィットしつつ、ドラーバーユニットが耳に内側を向いておさまります。
Shokz OpenFitは耳穴の前で音が鳴る
Openfitsは2つのパーツで構成される超軽量コンポジット振動版を採用した18×11mmのカスタマイズ・ダイナミックドライバーを耳穴の前に配置して彩雲度を再生する仕組みになっています。
ユニット内側のドーム型リングには、鉄の20倍の強度を持つという超軽量カーボンファイバーを採用しています。さらにこの振動版を取り囲むシリコン素材のリング(ポリマーリング)により、振動板をスムーズに振幅させ、豊かなピュアサウンドを実現しているとのこと。
さらに音源と人の耳の距離と角度から音を最適化さえ、反相波を利用して外部への音漏れを減らす「 DirectPitch」テクノロジーという技術が取り入れられています。この技術は耳に向けた方向の音圧を相対的に大きくさせることができるため、イヤホンを耳に入れなくても音がよく聴こえるのだそうです。
また、独自の低周波協調アルゴリズムを採用した「Shokz OpenBass」と呼ばれる技術を搭載していることで、低音もしっかりと表現されます。
アプリで音質調整可能
専用の「ShokzApp」を使うと、イコライザー調整やボタン機能のパーソナライズが簡単に行えるので、自分だけの音をカスタマイズすることができます。
Shokz OpenFitは防水防塵仕様
本体は防塵防水保護等級IP54(防塵性能は5級、防水性能は4級)に対応していますので、日常のスポーツやちょっとした雨であれば全く気にすることなく使用することができます。(水の中に浸すことはできません)
例1:IP67・・・防塵等級(IP6X)+防水等級(IPX7)であるので、防塵・防水に対応している
例2:IPX5・・・防水等級(IPX5)にのみ対応している。防塵には非対応。
例3:IP6X・・・防塵等級(IP6X)にのみ対応している。防水は非対応。【保護等級 内容】
0級 特に保護がされていない
1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)
Shokz OpenFitは長時間再生できる
イヤホン単体で最大7時間、充電ケース併用で最大28時間という長時間再生が可能となっています。さらに、急速充電に対応していて、約5分間の充電でおよそ1時間使用できるので、充電切れの心配が少なくなります。
Shokz OpenFitのレビュー
実際にオープンイヤー型イヤホンのOpenFitを装着してみると、耳穴を塞いでいないので周囲の音は自然に聞こえます。音楽を再生していなければイヤホンを装着していない時の聞こえ方と全く変わらりません。外にでて音楽を再生してみると、周囲の音と音楽が両立していることがわかります。
音楽リスニング用のイヤホンとして音質をチェックしてみると、オープンイヤー型であることを忘れるほどの高音質です。特に歌声の再現を得意としていて、ボーカルは男性・女性ともに伸びやかでニュアンスの再現も良好です。音場の広がりと定位感の再現はオープン型イヤホンとは思えないほどの高クオリティではないでしょうか。しかも、小音量でも歌声と低音をバランスよく再生し、違和感がありません。
また、OpenFitの特徴として、オープンイヤー型イヤホンでありながら、一定以上に音量を上げると音楽への没入感、臨場感が高まっていく傾向があります。これまでのShokzの骨伝導イヤホンは常に周囲の音の聞きやすさを重視している設計でしたが、このOpenFitは対照的に高音質で音楽を楽しむこともできるイヤホンになっています。
Shokz OpenFitは音漏れしにくい
想像していた以上に音漏れしにくい印象です。静かな屋内で近くに座るとやや漏れている程度です。周囲の騒音状況にもよりますが、外で使っている分にはほとんど気にならないレベルでしょう。
これは、音源と人の耳との距離と角度から音を最適化し、反相波を利用することで、外部への音漏れを減らす新技術「DirectPitch」テクノロジーによる効果で音漏れを減らすことができるのだそうです。
サウンドは中高低のバランスがよく、ボーカルもしっかりと耳に届きます。ボリュームを一定以上に上げなければ音漏れもほとんど気になりませんでした。
Shokz OpenFitはマイクも高品質
ビデオ通話でマイク音質も確かめてみると、人の声を聞き取りやすく拾っていました。こちらの声もちゃんと届いているようなので、マイク音質も問題ありません。
デュアルマイクノイズキャンセリングマイク(左右に2基搭載し、通話用と周囲ノイズの検知用)とAIコールノイズキャンセリング技術(マイクやスピーカーからノイズをカットしマイクの音声品質を向上させる)により、クリアな音声通話が可能になっています。
Shokz OpenFitは装着感が良い
そして、なによりOpenFitは装着感の良さが大きなポイントです。耳穴に押し込むタイプのカナル型イヤホンや、骨伝導イヤホンがどうも合わなかった(苦手だった)という人でも、快適に使用することができるのではないでしょうか。
ユニット部の先端のイヤークッションコアは2層構造のリキッドシリコンが採用されているので、様々な耳の形状にしなやかにフィットし、長時間つけていても不快感はありません。
Shokz OpenFitはワイヤレス充電には非対応
これまでShokz OpenFitについて紹介してきましたが、ここは残念だったなというポイントが一つだけあります。それはワイヤレス充電に非対応というところです。最近はワイヤレス充電に対応するイヤホンが増えてきているので、少し残念に感じますが、逆言うとその他にデメリットらしいデメリットはありませんでした。
Shokz OpenFitのスペック詳細
それでは最後に、Shokz OpenFitのスペックについてまとめておきます。
Shokz OpenFit | |
バッテリー駆動時間 | 7時間(イヤホン) 28時間(チャージングケース併用) |
充電時間 | 1 時間(イヤホン) 2時間(ケース) 急速充電対応(5分間の充電で1時間の使用が可能) |
待機時間 | 最大10日 |
充電ポート | USB Type-C |
電池容量 | 58 mAh(イヤホン) 600 mAh(ケース) |
Bluetooth バージョン | 5.2 |
互換コーデック | SBC、AAC対応 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
防水&防塵規格 | IP54(イヤホン本体) |
重量 | 8.3g ± 0.2g(イヤホン) 57g ± 1g(ケース) |
周波数帯域 | 50Hz~16kHz |
素材 | PC、シリコン |
マイクタイプ | デュアルノイズキャンセリングマイク+ AIコールノイキャンセリング |
価格 | 24,800円 |
購入 | Amazon / 楽天市場 |
カナル型の完全ワイヤレスイヤホン(先端にイヤーピースが付いているタイプ)は、遮音性の高さや音漏れの少なさから、絶大な人気を誇っています。しかし、周りの音が聞こえにくい特性が逆にデメリットとなり、屋外では危険をともなうなど、やや使いづらいケースも。また耳穴に押し込むので長時間使い続けることを負担に感じる人もいます。
それを解決してくれる骨伝導イヤホンも登場していますが、音量や音質の面でまだまだ改良の余地があります。そんな中で注目を集めているのがShokz OpenFitです。Shokz OpenFitは快適な装着感、高い音質を実現していながら、周囲への音漏れにも配慮されているので、特に屋外で「ながら聴き」をする機会が多い人にとってはベストな選択肢になるのではないでしょうか。
Shokz OpenFitの価格は24,880円
Shokz OpenFitの価格は24,880円です。Amazonプライム会員になっておけば、プライムデーで安く購入できるかもしれませんね。
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参考サイト:Shokz